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私と 井の頭公園 |その12「暮らしているそばに自然が残されている幸せ」 高久晴子

『いのきちさん』過去記事紹介(『いのきちさん』12号 2013年9月1日発行 掲載)
―2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞『いのきちさん』。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事をご紹介していきます―

暮らしているそばに自然が残されている幸せ

高久 晴子 (武蔵野市在住)

 

井の頭公園検定公式問題集『いのけん』に、貴重な生き物たちの写真を多数提供している高久さん。自宅の庭に来た生き物たちの面白さから、 井の頭公園 にフィールドワークが広がった。

自宅の庭に、鳥や昆虫が来ましてね。よく見ると、かわいらしいし、とても多様で、これは面白い、ということに気づいたんです。その延長上で井の頭公園にバードウオッチングに行ったら、井の頭かんさつ会や同好の方々がいろいろ教えてくれて、興味と人のつながりがどんどん広がっていったんです。

その 井の頭公園 は、鳥たちにとって重要な場所でした。玉川上水のグリーンベルトを頼るようにして、多くの渡り鳥が立ち寄るんです。絶滅危惧種のミゾゴイも来ます。特に『小鳥の森』(注)は立ち入り禁止で人の手をほとんど入れていませんから、自然状態が良く、鳥たちが集まってきます。そして、私たち人間にとっても重要な場所です。遠くに出かけなくても、身近なところで、多様な生物が息づいている、暮らしているそばで自然とふれあえ、よく観察すると、その自然の営みを通して多くのことを学べることが本当に幸せだと思います。

私も、鳥や昆虫が好きで 井の頭公園 に通っているんですけど、そのご縁で知り合った方々と、つながっていくのがうれしいですね。公園に行きたくなるのは、様々な生き物たちに会えることと、やはり様々な方々に会えることですね。 井の頭公園 は、生き物たちにとっても、人間にとっても大切な、守らなくてはならない自然環境だと思っています。

( 井の頭かんさつ会会員 ・ たかくはるこ )

 

聞き手・写真 川井信良

 

(注)小鳥の森井の頭恩賜公園西園の東南にある、バードサンクチュアリ(鳥の保護区)。

アケビコノハ
枯れ葉そっくりです
撮影:高久晴子

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。
(『いのきちさん』12号 2013年9月1日発行 掲載)


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