私と 井の頭公園 |その14「自然が創った大変貴重で尊い池」 片岡友美

2019.03.12

『いのきちさん』過去記事紹介(『いのきちさん』14号 2014年1月1日発行 掲載)
―2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞『いのきちさん』。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事をご紹介していきます―

自然が創った大変貴重で尊い池

片岡友美 (杉並区在住)

 

いよいよこの1月に、井の頭池の『かいぼり』が行われる。池を干して、外来生物を駆除し、池底を天日にさらし、水を入れ替えて水質を良くする作業だ。今回はその作業の一端を担う認定NPO法人生態工房の片岡友美さんに登場してもらった。

井の頭池はただの池ではないのです。はるか昔に地下水が湧き出し、風呂釜のような地形があったおかげで池になり、そこに動植物が住み着いた、正に自然が創った池なんです。今はその痕跡しか残っていませんが、それでも大変貴重な存在で尊い池なんです。今回のかいぼりは、井の頭池の本来持っている自然に、少しでも近づけてあげる大事な事業の一つとなります。

井の頭池のかいぼりの目的は、外来魚の駆除と、水質改善です。ご存知のように、井の頭池には大量のブラックバスやブルーギルなどの外来魚が繁殖しています。それらの外来生物を駆除し、同時にモツゴなどの在来魚を保護し、再び池に戻すのです。もう一つは、池を天日干しにして、泥に含まれている窒素を減らし、新しく入れる水の富栄養化を抑えて水質改善をします。これを2017年の開園百周年に向けて3回行います。

井の頭池のかいぼりは、公園の知名度から、全国の人々が注目しています。同じような悩みを持つ公園も多いので、今回のかいぼりの成果はとても大きな影響を与えると思います。市民ボランティアの参加なども含めて、良いモデルとなればいいと願っています。「井の頭で出来たんだからうちでもやろう」ってね。

でも、根本的な解決は、湧水の復活です。ありえない話にしないで、「やろうよ」と思い、出来るところからやっていきたいですね。

( 認定NPO法人 生態工房 理事 )

 

聞き手 川井信良

私と井の頭公園 その14 片岡友美さん

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。
(いのきちさん14号 2014年1月1日発行 掲載)


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井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞 いのきちさん 第14号

井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞 いのきちさん 第14号