アートマーケッツとヘブンアーティストな人々|その7「ピカさん(顔面紙芝居)」

2018.10.09

『いのきちさん』過去記事紹介(『いのきちさん』7号 2012年111日発行 掲載)
―2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞『いのきちさん』。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事をご紹介していきます―

その7「ピカさん(顔面紙芝居)」

にぎわう井の頭公園から、時折子どもたちの元気いっぱいの声が聞こえてきます。その声の源にいるのがピカさんです。

巨大な紙芝居舞台に、登場人物の顔がくり抜かれた紙芝居をセット。そこからピカさんが顔をのぞかせます。紙芝居のほか、歌ありクイズありと盛りだくさんのプログラムです。

ある日の演目では、おばけのお面を着けたピカさんが舞台から飛び出してきました。「どうだ、怖いだろう」と声を張り上げると、子どもたちは声をそろえて「全然、だいじょうぶー!」と叫び、おばけを負かしてしまいました。

DJだったピカさんは、原宿に歩行者天国があったころにパフォーマンスで注目され、テレビでも活躍。顔面紙芝居は14年前に始めました。大人向けの演目もありますが、「子どもには触れ合いを大切にしてもらいたいんです。ここで大声を出して、どこかでいじめられたときにも大声が出せるように」。プログラムにはピカさんの温かい思いがこもっています。

 

取材:小田原 澪(おだわら みお) 編集者・ライター。フィールドは多摩。三鷹市在住

 

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。
(『いのきちさん』7号 2012年11月1日発行 掲載)

登場人物の顔にピカさんの顔がはまって、物語が進みます

子どもたちが身を乗り出して大声でおばけ退治


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