アートマーケッツとヘブンアーティストな人々|その17「宮里 悦次さん(針金ゴム鉄砲作家)」

2018.11.13

『いのきちさん』過去記事紹介(『いのきちさん』17号 2014年71日発行 掲載)
―2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞『いのきちさん』。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事をご紹介していきます―

宮里 悦次さん(針金ゴム鉄砲作家)

パン! パン! パン! パン! パン!

宮里悦次さんの店先からは威勢のいい弾ける音が響き、つい足が止まります。音の正体は輪ゴム。宮里さんは針金と輪ゴムを材料に、輪ゴムを飛ばす鉄砲をつくっています。

若い頃から針金細工を始め、ペンダントトップからオートバイの模型のような複雑なものまで、自在に針金を操るベテラン作家。ゴム鉄砲は13年ほど前にレパートリーに加わりました。

基本の構造は、輪ゴムを銃口に引っ掛けて、銃身に沿って伸ばし、引き金を引いて飛ばすという単純なもの。1発飛ばす「ハエバスター」は、その名の通りしかとハエを仕留めます。5連発の「ショッカー」、10連発の「マグナム」となると形が立体的に。「輪ゴムをたくさんかけると、銃身が揺れやすくなる。強度を持たせながら、デザイン性も高めています」と言い、数種類の針金を格好よく組み合わせます。

構造の輪ゴムは劣化しても自分で交換可能。単純なおもちゃであればこそ、楽しく長く遊び続けられることを伝えてくれます。

 

取材:小田原 澪(おだわら みお) 編集者・ライター。フィールドは多摩。三鷹市在住

 

※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。
(『いのきちさん』17号 2014年7月1日発行 掲載)

一番人気の5連発を構える宮里悦次さん

鉄砲はしっかり握れて、命中間違いなし


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