『いのきちさん』過去記事紹介(『いのきちさん』20号 2015年1月1日発行 掲載)
―2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞『いのきちさん』。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事をご紹介していきます―
はな子のいたずら
前回ははな子の寒さ対策についてお伝えしましたが、今回はそのひとつ、断熱カーテンにまつわるお話です。
はな子の寝部屋と来園者観覧スペースとは暖気を逃さぬように一部を除いてビニールのカーテンで仕切られています。そのカーテンの一部が、ある朝20㎝ほど切り裂かれていたのです。前日の夕方にはなかった傷で、夜間に何者かが侵入したかと大騒ぎに。
それにしては警備システムに異状は報告されておらず、謎は深まるばかり。もしや内部の犯行かと疑心暗鬼で監視モニターの録画映像を再生してみれば・・・そこには犯行の一部始終が。
犯人?は67歳の女性。なんとはな子自身でした。夜間、室内でホースを振り回し、カーテンに当てて遊んでいる様子がしっかりと映っていたのです。
ナイロン糸の芯で補強された丈夫なカーテンを、柔らかいホースで破くとは、日本最高齢とはいえ改めてゾウの力に驚いた私たちでした。
とはいえ、いたずらするのは元気な証拠。これからも私たちを驚かせるようないたずらを続けて欲しいものです。
山本藤生 井の頭自然文化園 飼育展示係長
※本記事は掲載時点の情報であり、最新のものとは異なる場合があります。
(『いのきちさん』20号 2015年1月1日発行 掲載)
はな子が破いた断熱カーテン