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井の頭自然文化園の動物たちと飼育員|その14「オオサンショウウオと木船崇司さん」

「いのきちさん」過去記事紹介(いのきちさん34号 2017年5月1日発行 掲載)
―2011年11月から2017年11月にかけて刊行された、井の頭恩賜公園100周年カウントダウン新聞「いのきちさん」。ご愛読くださっていた方々の声にお応えし、掲載当時の記事をご紹介していきます―

四肢を踏ん張る威風堂々の貫禄は、さすが世界最大の両生類。1991年生まれ、満26歳になった井の頭自然文化園のオオサンショウウオは、ただいま全長108cm、体重11.4kg。飼育下では50年以上生きるともいわれているので、まだまだ成長途上です。

野生では岐阜以西の上流域に生息します。「中流にもいたかもしれませんが、開発などで棲めなくなってしまったようです」と担当飼育員の木船崇司さん。体はまだら模様で岩に似、片や頭はツブツブに覆われ、じっと観察しているとツブツブの間に潜んだ目が見つかります。

「体が何かの下にある状態が好きなんです」と木船さん。切り株を水槽の正面に置いたところ、木船さんの狙い通りそこに頭を突っ込んで、お客さんに顔を向けて過ごすようになりました。微動だにしないかと思ったら、鼻だけ水面に出して呼吸したり、水中でがばーっと口を開いてあくびしたり。一転、食事時には野性味のある姿を見せます。えさは週1回程度、月2回与えられるニジマスが好物で、「俊敏にパクッとひと飲み。そこから、もぐ、もぐ、とゆっくり食べます」。

希少性のわりに、意外と丈夫。水をきれいに保つことが大前提ですが、「井戸水の掛け流しができるのが、井の頭のいいところです!」。

 

取材:小田原 澪(おだわら みお) 編集者・ライター。フィールドは多摩。三鷹市在住

 

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(いのきちさん34号 2017年5月1日発行 掲載)


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